救急看護師の役割と仕事内容
救急措置が必要な人の処置をする救急看護師ですが、具体的には「どのような場所」で「どんなこと」をするのでしょうか。救急看護師の役割や勤務先について詳しく見ていきましょう。
救急看護師の役割:救命措置
救急看護師の仕事で一番大切なのは適切な救急処置の実施です。救急外来に運ばれてくる患者さんは心臓や呼吸が止まって救急蘇生処置が必要な人や出血を止める止血や包帯法、骨折などの応急処置が必要な人などさまざまです。こうした患者さんの処置や医師が行う救急治療の介助が主な仕事ですが、一刻を争う中で処置しなければならないため、医師が意識レベルを確認している間にバイタルサインを測定しモニターを装着する、点滴のラインをとる、血液採血をする、などを複数の看護師で同時に行います。それ以外にも呼吸がままならない患者さんには挿管の介助を、出血が多い患者さんには洗浄や縫合の介助をします。
救急看護師の役割:管理とお世話
救命措置や検査などが終わったら集中治療室に移ります。そこで患者さんの全身の管理と看護活動を行いますが、緊急手術後や集中治療室の入室直後は状態が変化しやすいのでバイタルサインを5分~15分間隔で測定して、状態が安定しているかどうかを確認します。集中治療室で受け持つのは最大でも2名で、患者さんの状態を看ながら検査や処置の合間に清拭をしたり排せつや食事の介助、吸引や呼吸理学療法を行います。それ以外にも、ドレーンやルートのある患者さんにはスキンケアやルート管理、褥瘡を予防するために体位を交換したり、治療がスムーズに進むように物品を整えたりなども救急看護師の仕事です。
救急看護師が働いているのは?
日本の救急外来は24時間365日、診療ができるように患者さんの状態の程度に応じて初期(一次)、二次、三次、と段階的に整備されています。初期救急医療施設は病気やケガの程度が軽い患者さんに対応する医療施設のことで、夜間救急センターや休日外来診療などがこれにあたります。次に二次救急医療施設ですが、これは初期救急医療施設に運ばれて来る患者さんよりも重症度が高く入院が必要な患者さんに対応できる施設のことです。三次救急医療施設は心肺停止や重度外傷、脳卒中や心筋梗塞など初期と二次では対応が難しい患者さんに対応できる医療施設のことで、救命救急センターとも呼ばれています。
こうした救急医療施設が救急看護師の主な職場ですが、他にもドクターヘリにフライトナースとして同乗したり、災害時に被災者の救急活動をしたり海外の災害現場に派遣されたりなど、いろいろな場所で働いています。また、実際に救急看護を行うだけでなく、救急看護の指導や救急看護の向上に向けて研究している看護師もいます。