救急看護師の給与事情
救急救命センターや救急外来で活躍する救急看護師は、一般的な診療科の看護師と比較すると給与が高い傾向にあるようです。これは救急看護師として働くメリットです。ただし、残業や夜勤の日数・有無などによって給与には差が出ます。基本給や諸手当など、給与の内訳も確認が必須です。
おおよその年収
救急看護師の給与はおよそ520万円~、たとえば救急看護師に転職して5年目の方だと、年収660万円の方もいるようです。ほかには、夜勤専従の方や夜勤の回数が多い方、国立病院などで働く方だと年収が700万円を超えている人も見受けられます。正看護師と准看護師では多くの場合給与に差があり、救急看護師は准看護師の方が1割ほど給与が低くなるといわれます。救急外来だと夜間の対応があるため、夜勤のある病棟勤務と同じように夜勤手当がつきます。また、三次救急に対応している規模の大きな病院や救命救急センターなどでは、特に給与が高くなる傾向です。
救命救急センターとは高度医療をカバーする大学病院内に設置された施設で、大学病院自体が給与が高いので救命救急センターの給与も高水準になりやすいのです。このほか、職場にもよりますが基本給も高めに設定しているところが多いという話もあります。高水準の給与に期待できることは、救急看護師のメリットの一つです。常に緊迫した現場で働くなかで、給与はやりがいにつながるポイントになるでしょう。
残業時間にもよる
救急看護師のメリットは比較的高給与な点が挙げられますが、勤務先によるというのが現状です。救命救急センターは緊急性を要する患者さんが来院もしくは搬送されてくる場所なので、対応は昼夜を問いません。もしも収入を上げたいと思ったら、夜勤に入ることこそが近道といえます。救急看護師は夜勤が多めになるので、夜勤手当で多く稼ぐことができるからです。ただし、救急救命センターでは残業がほぼなく、残業手当には期待できない可能性があります。残業をあえて避けたい方ももちろんいるでしょう。どちらにしても残業時間の有無は勤務先の特性次第なので、必ず確認することが大切です。もしも同じ大学病院内の病棟勤務と救急救命センター勤務だと、トータルでは同程度の給与になる可能性があります。
諸手当も要確認
高水準の給与を得たいなら、夜勤手当や残業手当以外の諸手当も確認しましょう。諸手当はどこでも共通している項目のほかに、救急看護師ならではの特殊勤務手当というものもあります。特殊勤務手当とは、危険や困難を伴い心身ともに負担の大きい仕事を請け負う労働者に対して支給される手当です。通常は公務員に支払われる手当ですが、夜間救急などに対応する救急看護師や医師も支給の対象となるケースがあります。
このほか、2020年1月から国内に広がりパンデミックとなったコロナウイルスに関連する手当を別途加算する病院が増えました。いずれにしても、こういった諸手当をもとに高給与につながることが多いので、給与の内訳は一つ一つ入念に確認して、さらに自身が支給対象になるのかどうかも漏らさず確認することが大切です。